パーソナリティ障害の歴史
ここで少し、パーソナリティ障害の歴史について触れておきます。
先ず、「精神医学」というものが体系づけられたのは、19世紀のことです。
それまで、医学の分野では、精神疾患についての研究が進んでおらず、時代を遡るにつれて、
精神疾患患者が、ただの変人や異常者扱いされていたことが大変よくわかります。
初めてパーソナリティ障害のような、うつ症状ともてんかんとも違うが日常生活が非常に困難な
状態のための研究を行ったのは、ドイツ精神医学者、クレペリンという人物です。
そこで彼は、パーソナリティ障害について、「人格の発達障害を有するが、精神病には至らない」
という内容の定義づけをしました。
一方、この定義に反対する者もいました。
同じドイツの、シュナイダーという人物です。
彼の場合、「パーソナリティ障害を有するものは、病気とは関係ない。ただ思考の偏りが著しく、
逸脱している。」としています。
20世紀に入り、精神医学の分野で、パーソナリティ障害についての議論が活発になされるようになります。
本格的に、「人格障害」という枠組みで議論されるようになったのは、1970年代に入ってからのことです。
それから、米精神医学会で、その診断基準が設けられたりする中で、その定義の内容も徐々に
異なってきています。
内面の抽象的な症状が多いことから、その定義づけについては、なかなか明確にすることができず、
今後も定義の内容が変わる可能性があると思われます。
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