見捨てられることへの不安
境界性パーソナリティ障害の人は、自分が十分に愛されているか、常に不安になっています。
幼児期に「良い子」で過ごした子供の例を見てみましょう。
患者Aさんの幼児期は、誰にでも愛想よく、勉強もよく出来、模範的な小学生でした。
しかし、中学、高校と進学し、成長するにつれて、非行に走ったり、対人関係が不安定になって
しまったのです。
何故「良い子」がそのようになってしまうのでしょうか?
それは、元々「良い子」は、ただ「良い子」の振りをしていただけだからです。
子供ながらに周りからの愛を勝ち得るためには、良い子でいなくてはならないと思い込み、
「良い子」の演技をしていたのです。
しかし、成長するにつれて、良い子ぶっているだけでは対応できないようなことにも遭遇するように
なります。
そうなったとき、理想的な自己像が崩れていき、その反動で、今までの我慢を全て吐き出すかのように、
暴言・暴動を起こすようになるのです。
良い子にはこのように、他人から見捨てられないように、わざと良い子に見えるよう振舞う場合が
あります。
また、愛されていないという不安を払拭するために、家族や恋人に過剰に依存する傾向もあります。
恋人に急用ができて、急遽会えなくなっただけで、「自分は見捨てられた」と信じ込み、過剰に
落ち込んでしまいます。
時にそれが、自殺願望に変わることもあります。
スポンサードリンク