境界性パーソナリティ障害の家族療法
患者が治療を行う際には、家族の協力が不可欠です。
また、家族こそが、患者に最も影響を与える存在でもあるので、患者の治療と同時に、親や兄弟姉妹も
一緒に治療に参加すると、様々な効果を得ることが期待できます。
家族療法では、「個別面接」「家族合同面接」「グループ面接」の3タイプのものがあります。
1. 個別面接
家族各々が個別に主治医の面接を受けます。
家族間でぶつけにくい問題や、一人で抱え込んでいることを率直に話すことが目的です。
2. 家族合同面接
家族が一堂に集まり、主治医のもとで話し合いをします。
家族での話し合いは自宅でも可能ですが、感情的な場面で主治医がその場をまとめることで、
正確な家族の実態が浮き彫りになります。
3. グループ面接
ここでは、複数の家族が集まり、様々な議論を展開します。
同じ境界性パーソナリティ障害を持つ家族同士で連帯を持つことで、それぞれが
「自分たちだけではないんだ」という安心を得ることができ、またお互いに知恵を出し合い、
家族としてどうあるべきかの意見交換ができる、大変有意義な場所です。
どの面接でも、医師が担う役割が大きいことを忘れてはいけません。
医師がいないことには、感情論のぶつけ合いで、問題の解決策を見い出せないからです。
医師というその場を取り仕切る人物がいることで、円滑で建設的な話し合いができるようになります。
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