妄想性パーソナリティ障害(Paranoid Personality Disorder)
妄想性パーソナリティ障害の人は、人が常に自分に対して悪意を抱いている、と思い込む傾向があります。
常に誰かの被害に遭っているような気持ちなので、その程度が強い傾向の人は、些細なことで、
裁判を起こすこともあります。
また、猜疑心の塊ともいえるので、どんな相手に対しても、その真意を探ろうと躍起になったり、
恋人となった人にも「どうせ捨てられるのではないか」という意識を最初から持っているため、
関係が長続きしません。
このような頑なさで自分を縛り付けているので、当然、健全な人間関係を継続させることも不可能です。
ここまでで一ついえることは、自己愛性パーソナリティ障害の人格と重なりやすい部分がかなり多く
見受けられることであろう、ということです。
「妄想癖」「健全な人間関係を構築できない」など、共通していると思われるところはあるでしょう。
しかし、妄想性パーソナリティ障害の場合は、全てのことが、マイナス思考に結びついています。
他人という存在そのものにマイナスな眼差しを向けてしまい、時には激しい嫉妬心も抱きます。
その嫉妬心も、過剰な自己愛から来るものではなく、猜疑心やマイナス感情の延長線にあるものです。
しかし、実害の程度はどうかというと、実はあまりないのです。
ですから、「誰も悪意を持っていない」という思考パターンを定着させるべく、心理療法が必要だと
思われます。
※ 診断基準については、こちらをご覧ください。
→ 妄想性パーソナリティ障害診断基準(PDFファイル)
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