太宰治(作家)
太宰治は、その作家としての感性を、今尚多くの人々に愛されています。
では、何故現在でも、カリスマ的な作家として、人気を維持しているのでしょうか?
それは、天才的な作家であると同時に、その人生が非常に波乱に満ちており、人生の光と影の
コントラストがあまりに鮮明で、強烈な印象になっていることによるものと思われます。
太宰治は、今でいう、典型的なパーソナリティ障害の症状を沢山持ち合わせていました。
若い時には自分の階級について悩み、それ故自殺未遂騒動を起こします。
その後、自殺癖がついてしまい、実に4回も自殺未遂を繰り返しました。
また、お酒と薬物に溺れ、対人関係も不安定で、衝動性に富んでいて、パーソナリティ障害の特徴を
全て網羅しているかのように、様々な症状で病んでいました。
女性関係も多くあり、自殺により他界する際に、愛人を伴ったことも広く知られています。
普通ならば、これだけ多くのトラブルを抱え、一貫性のない行動を起こし続けるようであれば、
自尊心は欠如し、自分の能力も発揮できなくなりますが、彼は精神病院に入院するたびに落ち着きを
取り戻し、退院後に次々と作品を残していたようです。
自殺癖が本当の自殺に結びつかなければ、その変わらぬ破天荒ぶりを振りまきつつ、もっと多くの
素晴らしい作品を残していたのかもしれません。
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