自己愛性パーソナリティ障害の入院療法
自己愛性パーソナリティ障害の人に、入院療法は非常に効果的であると思います。
入院生活では、規則正しい生活のもと、医療スタッフの指示に従って行動することを要求されます。
それまで他人を意のままに操り、自分のルールに則って生活することが全てだった人は、
「管理された生活」に対して、相当の反発心を覚えるに違いありません。
しかし患者にとって、こういう不愉快な生活は、むしろ意識改革をする上で必要であると思われます。
自己愛性パーソナリティ障害の患者は、まず、規則正しさとスタッフの指示に従うことに、
憤慨するでしょう。
しかし、何日もそこで「自分の意思は通用しない」ということを経験することで、やがて、主張を
通すことを諦めざるをえない状況になります。
そこで初めて、どん底に落ちるのです。
今まで認めてこなかった現実を初めて認めることで、精神状態は極限まで落ち込むことが考えられます。
本当の問題と対峙するしか道はなくなります。
しかし、そこまで落ちてしまえば、あとは這い上がるのみです。
その過程で、決して全てがスムーズに行くとは限りません。
精神科系統の治療には、忍耐が必要です。
しかし、どん底まで落ちることで、やっと、治療に取り組めるようになるので、回復することを
信じるべきです。
精神状態が危機的な状況に陥っても、専門のスタッフがいるので、大変でも入院生活を
乗り越えられると思います。
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