うつ状態
境界性パーソナリティ障害では、うつ病を合併させるケースがかなり高いとされています。
また、うつ状態である理由が、実際にうつ病になったのではなく、境界性パーソナリティ障害に
なったから、というケースもあるので、非常に紛らわしいところがあります。
境界性パーソナリティ障害とうつ病は、その治療方法が全く異なるので、間違った診断が下されたら、
いつまで経っても治らないことになります。
そういう意味では、医師の側が慎重に見極める必要があるでしょう。
境界性パーソナリティ障害とうつ状態に共通して言えることは、自尊心の低さや、慢性的な空虚感です。
自傷行為を繰り返すことも、双方の大きな症状の特徴といえます。
パーソナリティ障害全体を通して、その患者はみな一様に、人生に対する虚しさから、生きるか
死ぬかの選択を自らに迫ることがあります。
境界性パーソナリティ障害とうつを併発させた場合、当然うつ病治療も一定の効果を上げると
思われますが、例えば投薬治療を見てみると、その薬で患者が大量服薬に走るケースもあるので、
医師の側も慎重になることが多いようです。
それと、境界性パーソナリティ障害とうつ状態を合併させるもう一つの理由があります。
それは、脳内神経伝達物質の代謝の影響によるものです。
これはまだ研究段階ではありますが、境界性パーソナリティ障害患者の20%〜40%に、セロトニン
という、うつ病と関連性の高い物質の分泌異常があることが報告されています。
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